2024年02月02日

2月の庭

2月に入りましたが、まだまだ寒いひが続きます。
庭の垂れ梅はそろそろ満開を迎え、
芳香が春の足音を運びます。
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日の光も明るさを持つようになりました。
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来月はもう春彼岸。
月日の速さに戸惑いながら
サクラの頃を思い浮かべます。
posted by 常國寺 at 15:15| 寺子屋

2021年09月18日

お彼岸と夕日

暑さ寒さも彼岸までという言葉がありますが、日本の暦では季節の変わり目にお彼岸があります。お彼岸では、大勢の方がお墓参りにいらっしゃいますが、その由来は何でしょうか。
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お彼岸のお中日(春分の日、秋分の日)には太陽が真東から昇り真西に沈みます。彼岸は阿弥陀様のいらっしゃる世界を示し、この世である此岸(しがん)から彼岸(向こうの岸)にいたることを念じる機会として、お彼岸があります。真宗では、浄土への道は阿弥陀様からの呼びかけの道であるため、お中日を中心とした一週間について、仏徳(ぶっとく)を讃嘆(さんだん)する機会として、お彼岸を讃仏会(さんぶつえ)と呼んでおります。
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仏教だけではなく、数多くの宗教で、太陽は崇拝のシンボルになっています。エジプトにあるアブ・シンベル神殿では、春分と秋分の日に神殿の最奥部にある神像に太陽があるように設計されています。
日本では、お彼岸のお中日に、大阪四天王寺の西門の正面に沈む夕日が知られています。他にも兵庫県浄土寺の阿弥陀堂など夕日とお寺が結びつくことがあります。これは『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』にあらわされている日想観(にっそうかん)が大きく関係しております。
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『観無量寿経』は王舎城(おうしゃじょう)の悲劇を題材に阿弥陀様のお力を示した経典となっています。日想観は、此岸での出来事に苦しむ韋提希(いだいけ)が、お釈迦様に救いを求めた際に、お釈迦様が阿弥陀様のいらっしゃる悟りの境地へ至るための方法として最初に示されたものです。
沈む夕日を心に強く思い描き、一点に集中し、西の空に丸い夕日が太鼓のように浮かぶ様子を思い描くこと。このようなイメージができれば、目を閉じても開いても夕日が見えるようになる。
日想観は、悟りの境地に至る瞑想の入り口にあたります。西方は阿弥陀様のご浄土であり、まずは「夕日を見ることから始めよ」ということになります。

海や山に沈む夕日、故郷で出会う夕日、都会ではビルに乱反射する夕日。
どのような夕日にも輝きがあり、まぶしさを感じたのちに夕闇に包まれることで、帰る場所を想起させます。夕闇の中、帰る場所があることで安心したことはありませんか。まさに阿弥陀様のご浄土が帰る場所であれば、これ以上の安心はありません。

阿弥陀様からの呼びかけに気づくことができたのも、阿弥陀様に帰依されたご先祖様のおかげです。そこで、皆様、お寺に参詣いただき、お墓参りにいらっしゃいます。仏徳讃嘆の機会ですので、お墓参りに向かわれる前に、本堂の阿弥陀様にぜひご挨拶ください。
また、お中日の夕日を観て、心を安らかにできるとお彼岸の素晴らしい過ごし方になるでしょう。

合掌 妙綾
posted by 常國寺 at 16:01| 常國寺つれづれ

2021年07月13日

お盆の由来

お盆になるとお檀家さんがお墓参りにいらっしゃいます。
常國寺がある東京では新暦においても7月をお盆としておりますので、梅雨が明けて暑くなってきた時期と重なります。お墓には遮るものがあまりないので、太陽の力強さを直に感じながらのお参りになるのではないでしょうか。
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では、なぜこの時期にお墓参りするのでしょうか。
お盆は正式には盂蘭盆(うらぼん)といいます。元の意味は逆さ吊り、なんとも恐ろしいですね。この逆さ吊りのような苦しみから救われるというお話が『盂蘭盆会経』に説かれています。

お釈迦様のお弟子の目連尊者が、亡くなった母の姿を神通力で尋ねると、なんと飢餓道(きがどう)に堕ちていることを知りました。目連尊者には優しかった母ですが、その裏で他人からものを取り込む一方で、施しや恵みを行わなかったことが飢餓道に堕ちた原因でした。目連尊者は母がこのようになったことには自分にも原因があるのではと苦しみ、お釈迦様に母の救いを求めました。
お釈迦様は僧侶の夏季研修の終了日である夏安吾(けあんご)(7月15日)に僧侶を招いて布施行を行うようお説きになりました。目連尊者は教えに従い、僧侶をもてなし、お経をあげてもらうと、母は飢餓道から救われ、集まった僧侶たちも歓喜しました。この歓喜した姿が盆踊りになったともいわれています。
 
 わが子可愛さのあまり周りが見えなくなる、なりふり構わなくなるという状況は身につまされるものがあります。しかし、このような行為は自分を苦しめるだけではなく、その子の苦しみにもつながります。目連尊者はその苦しみの中にも、育てられた恩に報いようという思いから、母を救い出すことができました。『盂蘭盆会経』は現代にも通じる親子関係を説いたお経ともいえます。
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 真宗では、盆法会を歓喜会(かんぎえ)といいます。自分の行いを振り返り、自己中心となっていることに気づき、凡夫である我々を救ってくださる阿弥陀様に感謝し、喜びお念仏をするという意味が込められています。
 お墓参りは、『盂蘭盆会経』にちなみ、阿弥陀様とのご縁を結んでくださったご両親、ご先祖様に改めて感謝するというものです。阿弥陀様への感謝も忘れずに、ご本堂にもぜひお参りをしてください。
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合掌 妙綾
posted by 常國寺 at 13:30| 常國寺つれづれ

2021年05月30日

常國寺 永代経法会 厳修

常國寺 永代経法会 厳修
令和3年5月30日(日)11時より 赤坂常國寺にて永代経法会を厳修いたしました。
非常事態宣言中であり、住職と檀家総代様のみでの厳修となりました。
ご参詣できず、お名号の申し込みをいただいたお檀家様には、写真をお送りして
ご報告をいたします。

お名号を読み上げ
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読経 阿弥陀経 音木打ち
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精進料理をお供えいたしました。
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posted by 常國寺 at 20:12| 常國寺つれづれ

2021年01月02日

常國寺の正月

常國寺のお正月
常國寺ではお正月を迎える準備として、年末の大掃除、お磨きを行いました。
12月30日に本堂正面に幕を張りました。
と ここまでは例年通りの準備でしたが、今年はコロナ禍のため
消毒用アルコールの配置、お持ち帰り用供物の用意等々を行いました。
こうして、元旦の朝ご参詣の方々をお待ちいたしました。
例年に比べ、ご参詣の方々は少数でしたがご先祖様へのご挨拶をされていらっしゃいました。
常國寺も、新型ウイルス感染症対策のため、報恩講などの法要をライブ中継するなど新しい試みを行っております。
みなさまもコロナ感染に注意しつつ、ご先祖様へのご挨拶をなさってはいかがでしょうか。
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写真は正面に幕を張った本堂
posted by 常國寺 at 22:11| Comment(0) | 住職のつぶやき

2020年10月21日

報恩講厳修 インターネット配信

10月11日(日)正午より
方廣山 常國寺の報恩講が厳修されました。

例年は他のお寺のご住職の方のご出勤をいただくのですが、
コロナウイルの感染拡大防止のため、
常國寺住職、衆徒のみで行いました。

お檀家のみなさんにはインターネットで配信をいたしました。
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法話、精進料理のお話もあります。
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YouTubeの常國寺のチャンネルがありますので
どうぞ録画をご覧下さい。
チャンネル
方廣山 常國寺 [赤坂・東京] / Jokokuji Temple
https://www.youtube.com/channel/UCvDT1kuvX-MFlbgCxEoIhKA
チャンネル登録もお願いいたします。

posted by 常國寺 at 18:55| 常國寺つれづれ

2020年07月15日

お寺の鐘

お寺の鐘
「ゴォーン、ゴォーン」
厳かで余韻を残す梵鐘(ぼんしょう)の音。除夜の鐘が、おなじみですが、童謡の「夕焼け小焼け」にもお寺の鐘は登場します。
現代では、時鐘(じしょう)は珍しくなっていますが、港区愛宕にある青松寺(せいしょうじ)さんでは夕方に時の鐘を打っていらっしゃいます。常國寺には梵鐘はありませんが、ご法要の前に打つ喚鐘(かんしょう)はあります。

お寺の鐘の音は、真宗であれば聞法集合の意味であり、仏法をいただく合図となります。そのため、鐘を打つと一切の苦しみを停止させるともいわれています。
時鐘はまた、時を知らせるだけではなく、仏法が広まるようにという願いも込められています。

現代では寺の鐘の音も、
騒音の中で聞くことが多いと思います。

忙しい毎日の中で
効率よく時間を過ごすことも大事だと思いますが、
時には梵鐘を聞くことに集中してはいかがでしょうか?
一時でもゆったりと感じられる気がします。
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posted by 常國寺 at 00:00| 常國寺つれづれ

2020年05月30日

永代経法会

「永代経」とは、そういう名前のお経があるのでなく、詳しくは
「永代読経(どきょう)」といい、「永代にわたってお経を読み、
そのお心をいただいてまいりましょう」という法会です。

 ここでいう「永代」とは、大きく三つの意味(願い)があります。
・故人のご命日に、お寺で永代にお経が勤められる
・故人の家族が、ご命日を縁として永代に仏さまのみ教えをいただく
・お経が勤まり、仏さまのみ教えを広めるお寺が永代に存続される
以上の三つが『永代経の心』だといってよいでしょう。

 真宗門徒の方々が永代経を大切に思うのは、
この法会が亡き人、ご先祖に対する報恩感謝の気持ちを表す場になっているからでしょう。


5月24日常國寺では、檀信徒の方々の願いや懇志のこころざしを「お名号札」に託し、お寺からも檀信徒の皆様に感謝の意を込めて「永代経」を勤めさせていただきました。
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 皆さまのご参詣はありませんでしたが、いつものように執り行うことができたのは、阿弥陀様、檀信徒の皆さまのおかげと思っております。
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合掌

posted by 常國寺 at 23:00| 住職のつぶやき

2020年05月05日

ほっとコラム

今私たちは経験したことのない事態に直面しています。
心は落ち着かず、心配の種は尽きません。

そんな時、少しでもほっとする時間をご提供できればと身近にある慈悲の心をご紹介します。
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慈悲を一言で表すことは大変難しいですが、無量の慈しみ、すべての人、生きとし生けるものを愛するこころです。人間同士の愛よりも広い概念です。

そのような慈悲が身近にあるのかと思われるかもしれません。
実は困った方を助ける、例えば席をゆずるということは慈悲の心の現れです。
何か与えるものがなくても世の中のために尽くすことができる無財の七施が雑宝蔵経(ぞうほうぞうきょう)に説かれています。

一 眼施(げんせ) 常に温かい眼差しをむける
二 和顔施(わがんせ) いつも和らいだ穏やかな顔を示す
三 言辞施(ごんじせ) 他人に対して優しい言葉をかける
四 身施(しんせ) 他人に対して身をもって尊敬の態度を示す
五 心施(しんせ) よい心をもって他人と和らいでよいことをする
六 床座施(しょうざせ) 他人のために座席を設けて座らせる
七 房舎施(ぼうしゃせ) 他人を自分の家の中に自由に出入りさせて泊まらせる

温かい眼差しや和らいだ顔は、それだけで安心を与えます。さすがに房舎施は難しいかもしれませんが、何か私にできることはないかという心がけが重要です。

ぜひ、温かなこころ、慈悲のこころを見つけてみてください。
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合掌 妙綾
posted by 常國寺 at 00:33| 常國寺つれづれ

2020年04月08日

桜のころに護国寺の梵鐘

新型コロナウイルス感染症に罹患された方およびご家族・関係者の皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
また医療従事者をはじめ、感染防止にご尽力されている皆様に感謝いたします。
一刻も早い事態の収束と、現在闘病されている方々のご回復をお祈りいたします。

さて、今日はお釈迦様のお生まれになった日です。
花祭りとも言われています。

偶然ですが、住職の誕生日でもあります。
あまりに恐れ多いので、口外はしておりませんでしたが、
たまたま住職の母より生まれた時の話を聞きました。

護国寺の朝の梵鐘がなるころに生まれた子どもは、
小さく産まれたので保育器に入れられました。
折しも外は桜が満開。
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母乳を搾りほ乳瓶で飲ませることで
ようやく生きている子が、
健康に大きく育つようにと願いながら
毎日母乳を搾っていたそうです。

その母も先日92歳になりました。
桜のころの護国寺の梵鐘も、
遠いの想い出になっているようです。
posted by 常國寺 at 19:46| 常國寺つれづれ